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“解熱剤は上手に使えばいい薬“

熱が出て受診された患者さんに、“解熱剤を出しますか?”と聞くと、慣れたお母さんは

“お願いします“ ”うちにあるのでいらないです“などの返事が来ます。しかし、ときに

“解熱剤は使ったほうがいいですか?”との逆に質問が来ます。

解熱剤は使わない方がいいと考えて見えるお母さんも少なくないようです。

 

医師の中にも解熱剤を使わないように指導している方も見えるので、簡単な問題ではなく、長い論争があり、今でもどちらがいいのか結論的なものはありません。

解熱剤を使わないと言われる方に聞くと、解熱剤を使って熱を下げると、再度熱が上昇するときに熱性痙攣をおこすことがあると言われたとか。熱は体が感染症と闘っている状態を示しているので下げないほうがいいと思っている方も見えます。

どちらの考えも否定はできませし、解熱剤によるマイナス面がこのような形で部分的に起こっているのも事実と思われます。

しかし、熱が39度、40度になると、食欲が減り、ぐったりして元気がなくなり、夜間も寝られません。風邪の多くは(70%ぐらい)はウイルス感染症です。ウイルス感染症では、症状(咳、鼻水、下痢、嘔吐など)に対する治療法(対症療法)はありますが、ウイルスを抑える薬はありません。従って、自分の免疫能力が病気に打ち勝つ大切な要素です。ご飯を少しでもたべる。水分摂取をする。睡眠をとることが重要です。このために一時的に解熱剤の力を借りて、高い熱を0.5度でも1度でも下げて、安眠でき、水分摂取ができれば大きな力になります。

今使われている鎮痛解熱剤、アセトアミノフェン(アンヒバ座薬、カロナールなど)は比較的マイルドな解熱剤で高い熱も1-2度程度しか下がりません。熱が解熱剤で36度台まで下がるときもありますが、これは恐らく熱の勢いが治まりかけている時期と一致したためと思われます。

現在、多くの解熱剤がありますが、小児科ではアセトアミノフェンのみが使われています。

インフルエンザにも使用が許可されています。貴重な薬です。使わないと決めるより、上手に使ってみましょう。