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医療機関の上手なかかり方

遅くなりましたが、本年もよろしくお願いします。

 

上記のような題を掲げました。少し大袈裟ですが、答えは、簡単です。小児であれば、まずは小児科を受診してください。症状によって、どこを受診すればいいのか、迷うことはあると思いますが、迷ったらとりあえず小児科を受診してください。小児科医が再度判断します。どの科がいいか?大きな病院への紹介が必要なのかを判断します。

成人の場合も同様です。何らかの症状で医療機関を受診する時、まずは内科を受診し、その後必要な科、必要な病院へ振り分けてもらう。これが最も効率のいい受診方法と思います。

たとえば頭痛があるから脳神経外科を受診したり、鼻水が出るから耳鼻咽喉科を受診したりする。小児で時に咳が出るから呼吸器内科に受診するなどは、上手なかかり方ではないと思います。

成人では内科、小児では小児科が内科系で、耳鼻咽喉科、脳神経外科、泌尿器科などは外科系と分類されています。内科系は治療も当然しますが、診断に重きを置いています。一方外科系は手術を中心にした治療が中心になります。

 

どの科を受診するか?について、日常の診療で気がついた2-3の点について書いてみます。

  •  鼻水が出ると、耳鼻科を受診される方がかなり多いと感じています。お母さん方に理由を尋ねると、鼻水が出始めると、しばらくして咳が出るので耳鼻科へ行って、薬を服用すれば、咳が出る前に治まるとの考えでした。しかし、以前にも紹介しましたが、喘息傾向があるか、気管支が弱いタイプの子は、鼻水から始まり、その後、痰が伴う咳に移行します。これは鼻水が咳の原因ではなく、アレルギーマーチといわれ、一連のアレルギー症状の流れです。痰が伴う咳に見られる胸のゼロゼロは、原因が鼻水ではなく、気管支から分泌される痰が空気の流れをじゃまして起こる現象です。鼻水は鼻孔から外に排出されるか、飲み込んで食道から胃へ流れていきます。多くの場合鼻水は咳の原因にはなりません。

 

  •  乳幼児期(乳児期:2か月から1歳未満 幼児期:2歳から6歳まで)の湿疹は皮膚の病気ですが、小児科受診をお勧めします。その理由は、小児科医は乳幼児期の小児をたくさん診察する機会があり、皮膚症状の訴えが無くても、診察時に全身の皮膚を観察し、どのような経過をとって、治まっていくか?その疾患の流れを知っているからです。

 

③ “アレルギー科“は小児科も、皮膚科も、耳鼻咽喉科も掲げていますが、小児科は気管支喘息や食物アレルギーを、皮膚科はアトピー性皮膚炎を、耳鼻咽喉科はアレルギー性鼻炎を中心にしています。時に皮膚科でアレルギー性鼻炎の治療をして見える患者さんが見えました。それぞれ得意な分野があり、得意とする科で治療されるのが上手なかかり方です。小児科医の立場から、少し我田引水的になった感じですが、割り引いて判断してください。