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小児の新型コロナウイルス対策感染症

新型コロナウイルス感染症のパンデミックが始まって3年になりますが、最近まで、小児の新型コロナウイルス感染症はあまり注目されていません。高齢者の感染症者と比べて、軽症のことが多いためと思われます。実際、本院でも新型コロナウイルス感染者を診断していますが、大きな病院へ入院依頼した例はありませし、また感染後調子が悪く再診された例も多くありません。ほとんどの場合、コロナ感染症と診断して、10日間の自宅待機で治癒している状況です。

しかし、重症例が無いわけではなく、本年3月以降、20歳以下の入院220例の分析結果が日本救急医療学会から報告されました。これは新聞記事からですが、紹介します。

220例はすべて酸素投与が必要で、中等症以上となります。この内、150例が基礎疾患はなく、年齢分布は1歳以上の未就学児(6歳以下)が69人、小学生50人、乳児(生後28日以上の0歳児)22人、中学生5人、新生児(生後28日未満)4人でした。症状は犬吠(ばい)様の咳(犬が吠える様な咳)を伴うクループ症候群(急性喉頭炎です)や発熱による熱性痙攣、意識障害を起こす急性脳症などが目立ったとしています。基礎疾患がなく、中等症以上が、150/220で68%を占めます。オミクロン株は、成人ではウイルス感染症そのものではなく、基礎にある疾患が重症化して悪化するとされていましたが、小児では必ずしもそうではないことがわかりました。また今年1月から8月までに新型コロナウイルス感染症で亡くなったと報告された20歳未満の29人のうち15人に基礎疾患は無かったとしています。

今後、新型コロナウイルス感染症がどのような経過で推移するのかわかりません。WHOは1度、コロナウイルスの終息を宣言しましたが、日本の専門家は第7波より大きな第8波を予想しています。基礎疾患のない小児もワクチンをはじめ、しっかりした感染対策が必要と思われます。