手足口病、ヘルパンギーナは夏風邪と呼ばれ、夏季5月から流行が始まり、7月にピークとなって、8月ごろ収束します。毎年、流行の大きさは異なります。新型コロナウイルスの大流行が始まった2020年から2022年までの3年間は、手足口病、ヘルパンギーナともに、はっきりとした流行は見られませんでした。しかし、手足口病は2024年に、ヘルパンギーナは2023年に例年の流行パターンに戻りました。次の図1(手足口病),図2(ヘルパンギーナ)は最近10年間の流行状況を示します。


手足口病は病名の通り口腔粘膜と手掌、足底に水疱性発疹が見られ、2歳以下に多く発症します。ヘルパンギーナは、咽頭痛があり、軟口蓋付近に小水疱を作り、潰瘍化します。
5歳以下に多く見られます。診断は比較的容易です。皮疹が水疱様であることと出現している場所によって、ほとんど確定診断となります。しかし、手足口病の皮疹の出現する場所が年によって変化します。今年の手足口病は7月初旬の今、小水疱は手掌や足底には少なく、下腿(膝から足関節の間)や前腕(肘から手関節まで)に多く出現しています。口の皮疹も口腔内より口周囲に多いのが特徴です。
もう1つ注意が必要なのは、初診でヘルパンギーナと診断した患者さんが2-3日後に再診されて、下腿や前腕に小水疱が多発していました。手足口病でした。手足口病、ヘルパンギーナは対症療法のみで、治療は変わらないのですが、診断がずれていることがあります。以下に手足口病、ヘルパンギーナの典型的な皮疹の所見を見てください。


上図が手足口病に見られる、手掌と下腿の所見です。小水疱が散在しています。
下図がヘルパンギーナの口腔所見です。潰瘍となった小水疱が見られます。
今のところ手足口病は定点あたり3.40.ヘルパンギーナは0.85で上昇傾向です。
皮疹が軽度の時、よく見落とします。夏に熱が出たときは、上図と見比べてよく観察して見てください。