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AI(人口知能)と医療

AIを日常診療の分野でどのように活用できるのか?について、講演会がありました。講演会のテーマは“開業医に役立つAI技術” サブタイトルが “電話対応やカルテ入力の1例”でした。AIはテレビ、新聞、ネット上などあらゆるところで、今、話題の中心になっています。サイバー攻撃や戦争にも関わっているとも言われ、負の面もありますが、人類の生活をすでに1ランク、2ランク引き上げてくれています。今後さらに大きな変革と便利さを私たちの生活にもたらしてくれると誰もが予感しています。

講演では上で述べた2つの面で、AIが1部の開業医で日常診療に導入され始めているとのことでした。

1つ目は、クラークに取って代わる使い方ですが、クラークは、ある程度の医学、医療の知識がある方が、医師が診察する傍らで、患者さんの訴えと医師による診断、病状の説明、処方薬の内容、生活面の指導などを記録する仕事です。この仕事をAIが代行し、患者さんと医師の間で交わされる会話の音声を文字に変換しパソコンに保存します。医師が手入力で患者さんとのやりとりを入力するクリニックに比べて、時間的余裕があり、患者さんとの会話が多くなり、コミュニケーションが深まるメリットがあります。パソコンが導入されて以来、医師はパソコンの方ばっかり見ていると患者さんから判がありました。この問題の解決の1つになると思われます。そのほかAIはいろいろのことを援助してくれます。診療情報提供書(紹介状の事です)や診断書の下書きを作ってくれます。後は不足部分を追加したり、また余分なところは削除したりすれば完成することになります。便利かもしれません。もう1つ価値がある面は、受診された患者さんの分析ができます。今の電子カルテもかなりできるのですが、患者さんの年齢分布、症状別の症例数、例えば川崎病がここ数年間に何人診断したのか?過去のデーターを振り返って見ることができるようです。

クラークに変わるAI機器のデモを実際見せていただきました。メーカーの方が医師と患者さんの会話の例を読上げ、パソコンが音声を文字にしてPCに入力するものです。音声は直ちに文字に変換され、スピードは十分でした。しかし入力された内容は、要約されたものではなく、音声をすべて変換しているため、文章が長くなります。患者さんの訴えにもよりますが、熱発、咳、鼻水など風邪症状では医師が入力する量はせいぜい3行ぐらいに治まります。AIは会話の要約を瞬時にするのは難しそうです。これが今のところ欠点といえます。AIの導入には初期費用が10万円―20万円で、その後月に数万円とのことでした。それほど高額ではない印象です。人件費に比べると安いという印象です。

2つめは、AIに電話当番をしてもらうことです。

AIメーカーの講演を聞いていると、AIが患者さんからの電話に適切に対応するのは今のところ難しいのではとの印象でした。メーカー側は1日10-20件の電話があると仮定して、1本に10分間対応すると1日1時間40分になります。この1時間40分をAIが対応すれば、医療事務の仕事軽減につながるとの言い分でした。確かに時間的には医療事務の手助けになっていますが、問題は内容です。クリニックに来る電話の内容は様々です。診察の予約、頭痛や熱発など急患の相談、小児科ではワクチンの予約などもあります。ワクチンのスケジュールを作るのは簡単ではありません。また救急患者さんの症状に対応するのは、もっと困難です。実際に目の前で見ていない患者さんをお母さんの言葉で理解するのは、医師でも簡単ではありません。AIはどこまでできるのか?今は未知数です。

しかし、AIは近い将来多くの人たちの職業にとって代わり人間の職を奪っていくのではと考えられています。医師も例外ではないかもしれません。