毎年流行するインフルエンザですが、その流行時期は年々早まっている印象があります。今年はすでに流行の兆しがあると報道されました。先月8月16日の週(34週)インフルエンザは定点当たり1.1となり、翌週8月23日(35週)には1.6と1.5倍以上に増加しています。お盆明けの8月16日は真夏の暑さでした。
図 1 過去10年間のインフルエンザ流行状況

図1は2016年から2026年までの10年間のインフルエンザ流行状況を示しています。インフルエンザが話題になるときには必ず出てくるおなじみの図ですが、今回は図の右半分(33-35週以降、8月下旬以降)に注目して、インフルエンザの流行開始時期の変化を見てみたいと思います。コロナが流行った2020年と2021年はインフルエンザの流行はなく、曲線の立ち上がりはありません。2016年(黄色)のインフルエンザ流行開始は43週ごろ(10月下旬)、2017年(赤色)、2018年(緑色)も、ともに2016年と同じ頃(10月下旬)にインフルエンザの流行が始まっています。2019年(青色)は今年と同じくらい早く、35週ごろから流行が始まり、10週間ぐらい急増することなく低いレベルで経過し、45週ごろから曲線は立ち上がっています。この頃から(2020年)新型コロナウイルスが大流行を繰り返し、その間インフルエンザは姿を消しました。新型コロナウイルス流行がよわまる2022年は49週ごろ(11月下旬)小さなピークがありました。これは翌年の2023年につながり、2023年の5-7週(2月中下旬)定点あたり10以上のピークとなり、13週から34週まで低レベルの流行が長く継続しています。その後(34週)再度インフルエンザの大流行へ移行していきました。2024年のインフルエンザ流行開始は46週ごろ、2025年のそれは37週ごろ、今年は先ほど述べましたが34週(8月下旬)でした。今後、これが大流行に移行するかはわかりませんが、インフルエンザの流行開始時期は、時に早まり、時に遅くなりしながらも、傾向としては少しづつ早くなっていると思われます。この現象は、開始時期が早まっているとも言えますが、流行する時期が一定してないとも言えるかもしれません。
インフルエンザウイルス以外にも、ロタウイルス、RSウイルスも季節性が失われてきています。ロタウイルスは、乳児冬期下痢症との病名でした。2月の寒い時期に流行しました。
今はロタウイルス感染が集中する季節はありません。RSウイルスも冬に多い感染症でした。今は1年中意識している必要があります。ウイルス全体が、変化しています。これが人間の生活様式の変化が原因なのか、温暖化など気候変動が原因しているかは今のところわかっていません。
今年も、9月からインフルエンザワクチン接種の予約受付が始まり、10月からワクチン接種が始まりますが、インフルエンザの流行が早まれば、ワクチン接種時期も早くする必要があります。来年はワクチン接種開始が前倒しされるかもしれません。