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ネット依存症

ネット依存はゲーム依存SNS依存動画依存を含む総称です。

最近こどもたちのネット依存症が問題になっています。オーストラリアでは25年12月から16歳未満のSNS利用を禁止しました。ノルウェイやマレーシアなどでも利用制限が検討されています。日本でも豊明市はスマホ利用の時間制限を議会で可決しました。市が個人的な行動に口を出すのは、少し行き過ぎのように感じる方も多いと思いますが、このような行動指針を出さないと、将来、子どもたちを守れないとの危機感があるようです。

実際、今年の4月下関で開かれた日本小児科学会で、“ネット依存症”の演題で教育講演がありました。これを聞いて、今後、ネットの利用時間を制限する方向へ日本も、世界も進むのではないかと確信するようになりました。個人の行動は、市や国に押し付けられるものではありませんが、子どもたちの将来が長時間のネット利用によりゆがめられる可能性があるなら、ネット規制もやむをえないと思う様になりました。

 

ネット依存症の症状と対策を“学会の講演“をもとに紹介します。

ネット依存症の症状は次の5つの特徴があります。

  • 過剰な突出性 : ネットが人生の中で最も重要なことになり、考え、感情、行動の中心になります。極端な場合、食事をしない、トイレもいかないなど極端な行動も出てきます。

2)気分変容 :気分が落ち込んだ時、ネットゲーム、ギャンブルをして、気分を良くしようとします。また発生した問題から逃げる目的でネットを使います。

3)耐性 : お酒で言えば、酒量が増えることです。ネットでは使用時間が長くなることです。パソコンの質を高め、ゲームをより高度に、面白くすることなども含まれます。

4)離脱症状 : ネット活動ができない時、感情的にいらいらする。気分が落ち込む。ときに暴力的になるなどの症状が出ます。

5)葛藤 : ネットをやめたいのにやめられない。自分の人生に悪影響を与えているのに

  ずっと続けているという個人内葛藤があります。また家族、両親、配偶者に対する対人

  葛藤も伴います。

 

ネット利用時間と脳の発達について次のようなデーターがあります。

5歳から18歳の230名で、ネットを1週間、全く使わない群、1週間に1日のみ利用す

る群、1週間に2-3日の群、4-5日の群、毎日使う群に分けて、3年間経過観察しMRI

で脳の体積を計算したところ、ネットの利用日数が少ないほど、脳の体積は大きくなりまし

た。これはネット利用が脳の発達に影響することは意味しますが、脳のどの部位が萎縮した

のか、この研究からはわかりません。

何が依存物になるのか?何が依存症の対象になるか?

演者は次のように述べています。ある程度納得できる部分があったので書いてみます。

3つの条件を挙げています。① 楽しい。② 疲れない。③ 飽きない。

アルコール、薬物、パチンコなどは確かに上の3点を満たしています。ネットも若者にと

っては上記の3点を満たしますが、高齢者には疲れるので、高齢者はネット依存症にならな

らないと言います。野球はどうでしょうか?1部の人には依存の対象になるかもしれませ

ん。野球が楽しくてしょうがない、疲れない、飽きないヒトは少数でしょうがいるように思

われます。これはあまり害にはなりません。勉強はどうでしょうか?嫌いな人が多いのでこ

れも問題になりません。依存物の定義としては、上記の3点は面白いと思います。

ネット依存について雑多なことを書きました。次回は、ネット依存症の対策などを紹介した

いと思います。また依存症と脳の変化につい新しい知見が出ればまた紹介したいと思いま

す。