熱が出るとは何度以上のことを言うのでしょうか。常識的には37.0℃以上と、認識している方が多いと思います。しかし、例えば37.2℃が発熱かと聞かれると、はっきり言い切るのは難しいです。熱はいつも変動し、個人差もあります。気温によっても、運動によっても体温は上下します。時に、この子の平熱は36.3度です。今日は36.9度あり熱がありますと言われる方もみえます。37.0度以下でも平熱と比べて高いので熱があるとの考えです。実際、熱を測るのは、その子が、元気がなかったり、咳が出始めたり、触って熱いと感じたりした時と思います。このような症状が出るのは平熱より体温が高いから考えるのも当然かと思われます。
一方で、小児科学会がワクチン接種時の決まりとして、37.4℃以下なら、接種可能としています。ワクチン接種は原則 健康な時に接種するとしているので、37.4度までなら病気として、また熱発として考えなくてもいいとの判断です。これはワクチン接種率の向上のために非常に貢献しています。私たちワクチン接種医にとっても、患者さんにとってもわっかりやすく、納得できる数字になっています。
もう1つ、37度台前半の熱が、病気の始まりなのかを判断する方法として、患者さんに
提案しているのは、1度目の体温測定で37.2、3℃であった時、1.2時間後に再検
してもらい37.2℃より下がっていたら、おそらく発熱ではなく、正常の変動範囲と考
えていいと思います。熱は多くの場合、急に上昇するので、病気の場合は1,2時間後に
38度以上の体温になっていると思います。これは絶対ではないと思いますが、1つの方
法として利用していただければと思います。
現在、インフルエンザB型が再流行し、2月1日の週で、定点あたり30を越えました。
警報レベルに逆戻りしています。インフルエンザは高熱のイメージがあると思いますが、必ずしもそうではありません。ある患者さんが受診されて、インフルエンザに感染しているのではと検査希望でした。熱は37.3℃程度でした。一般的に38度以上で、12時間ぐらい経過している方が、検査の対象になりますが、お母さんのインフルエンザ検査希望が強く、検査してみました。結果は陽性、インフルエンザ感染症との診断になりました。一方、39度から40度近い高熱で、顔面が紅潮ししんどそうな表情で診察室に入ってくる患者さんを、私たちは“インフルエンザ顔貌”と呼んでいますが、このような典型的なインフルエンザの患者さんも見えます。
風邪とインフエンザウイルス感染症は熱の高さ、咳や鼻水などの症状、元気さ、食欲などで区別することはほとんどできません。またインフルエンザA型、インフルエンザB型の区別も症状からはできません。B型は消化器症状が強いとのうわさは耳にしますが、そのような傾向もありません。検査で判断する以外ありません。
熱型表について一言付け加えさせていただきます。熱型表は、病気の経過を正確に反映します。熱型表を見ると熱の下がる時期を予想できることがあります。これを診察室で見せていただくと、診察する側にとって貴重な情報で判断しやすいです。1日3回のチェックは少し面倒ですが、熱が始まったら、記録してください。役に立ちます。