2024年10月1日時点の人口推計が今年4月発表されました。それによりますと、日本人は前年同月比89万人減の1億2029万人で、1950年以降、最大の落ち込みとなりました。外国人を含む総人口は55万人減の1億2380万人となります。マイナスは14年連続です。
出生数が死亡数を下回る“自然減”が拡大しているためです。実際2024年の出生数は72万人、死亡数は161万人でした。この差が89万人で、人口減少のほとんどがこの“自然減”によるものと言えます。
14歳以下の小児科領域の人口も同様に減少が続いています。全人口に占める割合は11.2%、これは過去最低です。実数では前年から34万人減少し1383万人となり、初めて1400万人を割りました。
一方、65歳以上では1.7万人増の3624万人、総人口に占める割合は29.3%で過去最高。うち75歳以上は、前年から70万人増加し2077万人。団塊の世代が加わったことが急増の要因です。
少子化の原因はいろいろ言われています。結婚しない人の増加(未婚化)、結婚の年齢が高い(晩婚化)。子育ての費用がかかる、学費など(経済負担増)。育児の負担が女性に偏っている。若者の賃金が増えない。男性の残業が長い。
これらの原因の中で、晩婚化の資料がありました。1980年と2020年の結婚年齢の差です。1980年、男性の平均結婚年齢は27歳台、女性は25歳台です。2020年では、それぞれ31歳台、29歳台になり、男女とも約4年遅くなっています。
もう1つの資料は男性の残業時間と出生率の関係を見たものですが、1週間49時間以上働く男性の割合がフランスでは12%、出世率は1.8。デンマークは10%で、出生率は1.7。スウェーデンは8%で、出生率1.7。アメリカは長時間労働の男性が17%で、出生率が1.7。日本は22%の男性が長時間労働で、出生率は1.3。韓国も長時間同労の男性22%で、出生率は0.8。長時間労働の男性の割合が少ない欧米ほど出生率が高く、長時間労働の多い日本や韓国は出生率が低い傾向にあることがわかります。
このように日本の少子化は、経済的な問題、社会の仕組み。労働時間、さらには人生観など多くの事が複雑に絡み合って起きている現象と思われます。少子化が一概に悪いことといわれているわけではないのですが、子どもの多い社会の方がきっと活気がある社会になると思います。国も少子化対策を行っていますが目に見える効果は出ていません。
実際、人口減少について身をもって感じる機会は少ないのですが、西尾市で1歳半健診の回数が、今まで月に4回あったのですが、令和7年4月から3回に減少しました。1歳半児が4分の3に減少したことになります。保健センターからこの連絡を受けたときは“やっぱりそうだったのか”と驚きました。